地下鉄。
服装は垢抜けないが
心配ごとなんて一つもない、といった調子のよく笑う中年男女。
たぶん夫婦。
ぱんぱんに膨らんだかばんを抱えている。
ずっとしゃべっている。
もう一人、息子なのか
隣り合わせて座った30代の男性は
しゃべらず時々うなずくのみ。
女性、ごそごそとリュックの中から
ハガキを取り出す。
何枚も。
間に合うかねえ、と言っている。
知り合いの個展か演奏会か
なにかの招待券か。
しかし、そのうち合点がいった。
そうか株主総会だ。
あちこちをはしごするのだろう。
「あそこの株を500株持っていると
○○に招待してくれるんだ」
おじさんが笑う。
雲リひとつなくうれしそうだ。
お金に心配のない人たちなのだろう。
JRに乗り換え、2時間打合せ。
寄り道することもなく、また電車に乗る。
地下鉄の連絡が悪かったので、JRで。
川を渡る鉄橋に注ぐ日ざしが力強くなってきた。
小さいころから、電車が鉄橋を渡るときが好きだった。
今も必ず顔を上げ、窓の外を見る。
そこには必ず川が流れている。
そして渡ればその向こうは違うまち。
2度電車を乗り継いで戻り、校正を配ると
ひといきつきたくなり
夕飯は、Yくんと近所でラーメン。
初めて汁なしラーメンを頼んでいた。
ラーメン屋に行くと、いつも以上にしゃべるYくん。
ヨーロッパの言語の話など。
英語の読み書きはもう十分だが
会話を磨きたいそうだ。
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