寄せた文章を読み、胸かつまった。
世をはかなみ、世に抵抗し
斜に構えながら、それでもできれば幸せになりたいと思う。
頭だけ発達しているのに無力な中学生。
この子はもっと別の部分で病んでいるのかもしれないし
擁護するつもりはまったくないが
どこか自分の中学時代を垣間見たような気がした。
ネット掲示板には
この作文に対し
「典型的な中二病だな」
との声が。
わたしも中二病だったのか。
どうして高校に行くんですか!と先生に食ってかかったり
タバコを吸うまねをしたり
今だから言うけれど
成績のことをうるさく言い
音楽に対して理解のない父親を殺したいと思ったこともある。
だんだん外の世界に向かって
家というバリアをびりびり破いて出ては行ったが
ふり返ると30歳くらいまで
ずっと中二病だったような気もする。
先日、仙台の健一さんに
「みえちゃん、大人びた子だったっけね」
と言われた。
二十歳ごろ、友だちと初めて仙台を訪ねた時のことだ。
健一さんは、そこまで感じなかったが
私たちが帰った後、友人の一人がそう言ったらしい。
あのころは、受け容れるより
いろんなものを突っぱねてばかりだったように思う。
実にもったいないことをした。
そしてもし私の中二病が終わったとすれば
久しぶりに会ったおねえさんに
「なんか変わったね。昔は“ブルースの人!”って感じだったのに」
と言われた三十歳すぎかもしれない。
★ ★ ★
ヤフーの知恵袋に
事件を起こした女の子の読んだ本を教えてほしい
という質問が載っていた。
夏休みを迎え、我が子が読書にはまっているが
同じ本を読むかも知れないと思い怖くなったという。
無理に自殺や殺人を勧めるような本を
推薦することはないが
何を読んでもいいだろう。
何を手に取るかはその子の癖による。
私は、中学生のころ
ドフトエフスキーの「罪と罰」や
坂口安吾「堕落論」
さらに学生運動のころ命を絶った
高野悦子の「二十歳の原点」に、はまっていた。
もうすっかり忘れたな。
でも、あのころはその世界に沈殿し、影響されてたはずだけど。
確かに親は自殺した高野悦子の本に心酔していることを
心配していたような気もするけどね。
そして、それ以上に音楽の影響は大きいかもしれない。
書を捨てよ、街に出ようとか
見る前に跳べとかね。
高飛車な態度だった小学生の私に
下から上を見上げて考えることを教えてくれたのは
フォークソングだったよ。
その次がブルース。
しかし、絵本にしろ、何にしろ
心配なら親が読んでみたらどうだろう。親から伝えられるのは、極端に言えば文化だけだ。
親が読み、親が聴き、親が見て
いったい何に感動するのか。
と同時に、親が一人の人間として何を尊厳とするのか
許せないと伝えるのが教育だ。
そして、
死にあこがれ、死を思う時期もあったとしても
自分の意志ではなかったとしても
生まれてしまったからには
生きて、生きて、生き抜け。