2012年9月9日日曜日

9月第1週目のあれこれ

9月2日(日)

息子、なぜか友だちと不動産屋に行く。
友だちと集まれるのが理想だという。
夜は焼肉だとか。若いっていいね。

スーパーにきこきこ自転車を漕ぎながら、
今まで一人暮らしをしたことがないんだなと、改めて変な気持ちがする。
つまり、おーい、と呼べば、今まで必ず誰かいたのだ。

人のために生きなくていいとか何とか言う本があるが
他人を想定しなければ、なんのエネルギーも生まれてこない。

9月3日(月)

予想はしていたものの、9月になってがぜん、慌ただしい。
今月は決算もある。
職業柄、なんら複雑な内容ではないのだが、書類をそろえたりするのは
それなりに面倒くさい。税務調査があったら考えたらすごく気になり出した。
調査されても何も出てこないことは予想に難くないが、
この汚い部屋においでいただくことを
想像すると、どうにも落ち着かない気持ちになる。

9月4日(火)

校正の日。

いつも行く街なので、昼ごはんは何にしようと迷う。

駅蕎麦でもいいのだが
最近、蕎麦の種類が変わって
ビニールみたいな蕎麦になってしまった。
さすがに、もう一つ食指が動かない。

最近、とみに思うのだが、私はたいして食に関心がないのかもしれない。
おいしいもの、好きなものを食べたいという気持ちは人並みに持っているが
それが、何でなければいけない、とか
タクシーを飛ばして何々を食べに行くということは考えたこともない。

しかし、ときどき食べたくなるのがベトナム料理だ。
今日は、思い立ち六本木ミッドタウンでの地階の店に行った。
フォーも、カレーもついたセット。
求めていたスパイスで体内が満たされ満足。

その後、新年号の会議など、もろもろあり
夜は事務所で、大戸屋のコロッケ弁当を食べた。

六本木の大戸屋は近所に定食屋がないので、いつも混んでいる。

かぼちゃコロッケはお断りだが、幸いにもポテトであった。

いつもに増し、食べ過ぎである。

9月5日(水)

何一つ終わる気配がない。

今日も事務所で夜ご飯をいただく。
本日は、タマゴとキクラゲ炒めごはん。
キクラゲが好きになったのはいつからだろう。

もう永年、でっかいこたつ机を作業机にしてきた息子が
「最近肩が凝るので、座りにしようかな」
と言い出した。

私ゃ、昔から、そのほうがいいと思っていたよ。

その前は、作業机の下にもぐりこんで寝ていたこともあった。

長い時間をかけて、だんだん表の世界に出てくる虫のようである。


9月6日(木)

午前中の用事を終えて、久しぶりに先輩編集者のNさんにお会いし
笹塚でランチをごちそうになった。

3年前の夏に急逝してしまった
仲間であり尊敬するエディターであった市川さんの話にもなる。
Nさんはこの夏も市川さんのお墓参りをしてくださったそうだ。

本を作りたいという話にはなるのだが
なかなか具体的に進まない。

しかしお世話になった先輩や
志半ばで急逝してしまった編集者に
報いたいとの思いはますます強くなる。

帰るころにはすっかり怪しい雲行きに。

入れ違いに息子は、新しいクライアントの打合せで羽田方面に出かけていった。

佐野洋子さんの『がんばりません』に
映画の思い出は、だれと観たかと一緒にあるというエッセイがある。

もちろん佐野さんは上手にそれとなく書かれているのだが
電車の中で読みながら、そうなんだよ!そう! そう!と
足をばたばたさせたくなった。

いま、ブルースやソウル界隈に足りないものは
共有感覚だと思う。

みんなで同じものを観た。
みんなで同じものを聞いた。

FUJI ROCKが無理なら
どこかのお店で皆で、同じDVDを観るのだっていい。

体験と共感で、思い出に変わるから
海の向こうの知らない曲でさえ、大事な曲になる。

9月7日(金)

いよいよ追い込まれている。

9月は本当に終わるのだろうか。

私の寝ている場所にはクーラーも無ければ窓もないため
毎晩汗だく。たっぷり眠れないせいか、いつも眠たい。

からすの行水なので、温泉に行きたいという願望は薄いのだが
都内のホテルでいいから
涼しい部屋で、ふかふかの布団の上で、ゆっくり寝てみたいとは毎年思う。

9月8日(土)

Sさんと編集のHさんの顔合わせを兼ねて
渋谷のカフェへ。

調子に乗ってしゃべり過ぎた気がして
帰ってきてから鬱々とした気持ちになる。

ここでもまたいろいろプランは出るのだが
一歩を踏み出すのに時間がかかる。

原稿もあるしさー、食べていかなきゃいけないしさーと言ったら
ちょっと間があって、息子に「プライオリティが大事でしょう」と言われた。

しかし、今やらないと後悔する気がする。それは自分が一番わかっている。
それでまた鬱々とした気持ちになる。

こんな世の中に雑誌なの?といった迷いは一つもない。
新しい雑誌作り、ここはえいやっと飛び込むべきか。