2014年2月22日土曜日

皿のナンバー

急ぎの用もなくゆるゆる。

請求書出して、駅前のパン屋さん、薬屋さんなどへ。
ずっと週末の天気が悪かったこともあるのだろう。
梅祭りが行われている近くの公園の方に
大勢の人、歩いて行く。

駅の改札前の陶器市、いつも同じ顔ぶれ。
去年と同じものではないかと思うものを
同じように並べて売っている。

以前 Yくんが、
直径20センチもある備前風の重くて黒っぽい皿を
買ってきた。

千四百何年の皿だという。
2000円足らずの皿でそんなはず、あるわけがない。
裏返すと、何かの整理番号なのであろう
1402とかいう小さなシールが貼ってあった。

世間知らずというか、可愛いというか
その素直さには驚いたものである。

夕方からブルース渋谷にて婦人部幹部会。

Mちゃんに新潟取材みやげの笹餅とゴマ入りの「はしもち」もらう。

九州居酒屋の後、ミリバールへ。

よく呑んで、よく食べた。

選挙結果から自分たちがマイノリティである旨を意識した話。
クラプトンの話。
オーシャンブルバードをリクエストし、いいねぇと言う。
そして小学生からおばちゃんまで変わらず好きな恋愛話など。


2014年2月21日金曜日

やるだけ。

デザインがあがってくるのを待つ合間にパソコン作業、申告準備など。

来週はきつきつだが、今週はやや時間がある。

思いがけず作業進む。

この調子で、懸案のマガジンの方も進められればよいのだが。


わたしが、やりたいことは、ひとつ、なのだ。


やれば、よい。

やるだけだ。


作業はルイジアナのクッキー&カップケイクス聞きながら。
いいねぇ、マチルダ。

マチルダって言っても踊ろう、じゃないよ。

この曲ばっかり聞いてたことあったなぁ。

その反面、最近、こころの貯金が枯渇してきたのではないかと
思うところがある。

年齢を経ると新しいものを吸収する力が落ちていくようだが
意識して、音楽を聴き、本を読み、映画やアートに触れ
人の話に耳を傾けたい。

氷見うどんに、きつねあげ、ねぎ、とろろ昆布。
Yくんだけ卵割る。

Yくんの夜食と、私の明日のブランチ用に
豚肉を焼いておく。

Yくん、どこぞの社長にならないかと声をかけられたらしい。
壊れた橋でも渡ろうとする私はおもしろがるが
彼は渋い顔をしている。

2014年2月20日木曜日

タッチパネル


確定申告の季節だ。

住基カードに読み込まれた
電子証明書が切れていたので
自転車を飛ばし
区役所へ。

飛ばし、と書いたが、ウソです。

えっちら、おっちら。でした。

久しぶりに立ちこぎしたよ。坂道。

裏通りにはまだかちんこちんの雪もある。

ショートカットで、えいやっと自転車を押して急坂も上がり
公園を突っ切る。

自転車に乗って、ベルを鳴らし♪

私の自転車のベルはフタが黄色い。
最初についていたベルのフタが弛んで
外れてしまったので
100円ショップで買って付け替えたのだ。

「こんにちは~。今日はどんなご用でしょう」

受付のおねえさんは、明るく声もやさしい。

こんにちは、と言われたら、こんにちは。

次の窓口のミドルエイジの女性(しかしおそらくは年下)も
物腰が柔らかかった。

「16ケタの暗証番号をご存じでしょうか」
「え? いや~、わからないとダメなんですか」
「そうですねえ。とりあえず何か心あたりの番号はないでしょうか。
ダメだったらロックされますので、もう一度お手続きください」

はぁ、面倒なことにならなきゃいいけど。

心あたりの番号ねぇ。あれかねぇ。

もう一度番号を呼ばれ、パソコンのある窓口に案内される。
今度は初老の男性だ。

「どうぞ、おかけください」

ハイ!

・・・と、勢いよく椅子をひいたら、折りたたみだったもんだから
あっと声を上げる間もなく、べったーんと大きな音をたてて、ぺたんこに。

あ、すみません!すみません!

マフラーを踏んづけながら、床にしゃがみこみ椅子を救出。
あぁ、今日もまぬけだ。

手続きは、まず住基カードの認証をするために
4ケタの暗証番号をテンキーで入れるところから。

これは、あの心当たりの番号でオッケーだった。

次にディスプレイのある席に移動。
今度は椅子を確かめ慎重に座る。

画面をタッチしながら、電子証明書の更新をする。

数字をタッチしながら入れるのはやりづらい。

“心あたりの番号”を思いつくままタッチし
「確認」を押す。違いますの表示。

タッチしては確認! タッチしては確認!

とにかく<確認>や <次へ>を一刻も早く押したいのだ。

「えーと、最初の画面に戻って
もう一度押されてはいかがでしょう」
と窓口のおじさんは、こりゃだめかもなぁという顔で言う。

結局、やはりというか、カードはロックされた。

再び先のべったーん椅子のデスクにて書類を書き
再度、タッチスクリーンへ。
今度は、数字を間違えるわけないので、良い調子だ。

確認! 次へ! 確認!次へ!

私はボタンを押すのが好きである。

確か吾妻さんも機材の話のとき、そんなことを書いていたと思うが
ボタンやツマミが好きだ。

イコライザーのついたデッキ。
博物館の模型。
ゲームのコントローラー。

なんでも押したり、ひねったり、つまんだりしてみたい。

さて、またえっちらおっちらママチャリを漕いで帰る。

パソコンにカードリーダーのソフトをインストールしたり
国税庁のページで手順を読んだり
意外に時間がかかり、結局肝心の申告書作成は
あまり進まなかった。

住基カードには反対していたはずだが
こうして便利な方に流れ、いつのまにか
国にとりこまれていくのだな。



2014年2月17日月曜日

友人がご主人を亡くして。

高校時代の友人から携帯にメール。

同級生Yさんのご主人が亡くなったという。

にわかに信じられず。

彼女は2~3年前に再婚したばかり。
前のご主人とは、くも膜下だったか
突然の別れを強いられている。

よくわからない。わからないが行かねばなるまい。

色校の準備をしつつ
黒のワンピース、バッグなど引っ張り出す。

新宿駅から通夜の会場であるお寺まではタクシーだ。

パートナーを突然亡くして呆然とした日々を送っていたYさんと
ご主人は、その寺で出会った。

ご主人は住職ではなかったが、永年寺の仕事をしていたのである。

西新宿で高校の同級生が集まり
ごはんを食べていたとき
再婚が決まったYさんが
わざわざお寺まで皆を案内してくれたことを思い出す。

そのときも車でこの道を通った。

寺の前には「●●●●儀 葬儀式場」 とあった。

やはり、Yさんのご主人である。

案内されてお経の聞こえる本堂への階段を上がる。

お寺さん縁の人ということもあってか
10名以上のお坊さんによる読経だ。

禅宗ということもあるのか
口語調のお経はとてもわかりやすい。

遺族席のYさん、時折ハンカチで涙をぬぐう。
時折、遺影に目をやる。
大泣きしているわけではないが、やつれていると思う。

遺影は、結婚式のときのものだ。

互いにひと目惚れだと、前のご主人のことを理解してもらった上での
再婚だったと幸せそうだった顔を思う。

何かと愚痴の多い私にも
「いつか一緒にビルボードに行ってくれる人が現れるわよ」
と肩を叩いてくれた彼女。

お釈迦様だか、神様は無情ではないか。

震災で突然家族と引き裂かれた人のことも思う。

一番中心にいらした格の高いであろう住職が
「釈迦の言ったことは、言葉にすると、ある意味残酷です。
生まれた者は死ぬ、ということです」
という話をされた。

人生に救いはねぇ。

あの歌そのまんまだ。

死ぬだけだが、死ぬまでそれでも生きていく。

だが、言葉は虚しい。


友人たちと通夜ぶるまいの料理をいただいていると
Yさんが、ご主人の顔を見ていってほしいという。

笑みを浮かべているような顔であった。

Yさんは饒舌であった。

それがまた哀しかった。

昨年夏余命宣告されてから
亡くなるまでのことを
祭壇の前で話してくれる。

ごはん、食べてるわよ。泣くとおなかがすくの。

抱きしめたかったが
何かそれを無意識のうちに受け容れようとしていない空気を感じ
むりやり手をとり握手してきた。

人生に救いはねぇ。

ねぇのか。

また新宿駅までタクシー。

行くときからワンピースの裾のおりてきたのが気になって
ピンで止めていたのだが、
式場に着くと明らかにまずい状況だと気づいた。

お焼香のときも、無様であったろうが
帰りの電車で、裾はもっと無様になっていた。

まぬけである。

まぬけでも生きていく。