息子と連れだって
羽根木公園にでかけた。
梅祭り40周年を記念して
週末にライトアップをしていると聞いたからだ。
羽根木と言えば、紅梅270本、白梅380本
あわせて約650本があって
この時期は、たいへんな人出だ。
久しぶりに、とんかつたむらで
談春師匠もごひいきだという
味噌だれ定食を食べ、
少しばかりうきうきしながら、公園に向かった。
意外に人けはまばらだ。
しかし、というか案の定というか
ライトアップは、ここのことだよね?
と幾度か、息子に尋ねるくらい地味なものであった。
梅をところどころ地上から白いライトで照らし
階段にはぽつりぽつり灯ろうよろしく
白熱灯が置いてある。
案外、たいしたことないな、とすれ違ったおじさんがつぶやいた。
「梅は香りがあるからいいよな。桜と違って」
と独り言のように家族に話しかけている、これもおじさん。
それでも、見上げれば闇夜に雲が浮かんで
余計な音楽も、宴もない分
静かなる春の宵ではないか。
ずうっと変わらぬ谷内六郎のポスター
毎年変わらぬ梅ヶ丘駅改札前の
必要もないのに、つい欲しくなってしまう陶器や民芸品。
花なんか誰も見ちゃいない
焼きそばと焼き芋を頬張る人々の喧噪。
そんなご近所ならではの羽根木公園が好きだ。