2017年2月21日火曜日

シモキタとダッカ

息子いわく
生まれ育った下北沢とバングラデシュ(正確にはダッカか)は似ているそうだ。

まさか、と笑い飛ばそうとしたが
写真を見せられて、確かに似ているとおもった。

今のセンター街化した南口じゃなくて
90年代までの一番街あたりかな。

間口の小さな店と看板が肩を並べ
道の両側からそれぞれに話しかけてくるような、あの感じ。

人々は、時に目をみはるようなカラフルな服で
思い思いに歩いている。

将来はバングラデシュに引っ越そうかな
とうそぶく彼にニヤリとする。

「ということは教育効果があったってことだな。
生きていくと、いろんな人がいる。
人生は混沌としているってことを教えたかったから」

サラリーマン家庭ばかりがひしめく街で
子育てはしたくなかった。
できれば、八百屋も魚屋も服屋も畳屋もある商店街で
ミュージシャン、劇団員、会社員も医者も工員の子もいるような
渦の中で育ってほしかった。

漁村では、農村では、炭鉱町ではどうなのか。
当時はそこまで思いが至らなかったが
とにかく背広を着た会社員の子どもしかいないのは
物足りないと思ったのだった。

結果として、わたしたちは銭湯の上にしばらく暮らすことになった。

息子が期待どおりたくましくなったかどうかは
わからないが、とりあえず人生いろいろは
感じているような気がする。

そんな彼に本棚から
どうぞと『下北沢ものがたり』を貸した。




2017年2月20日月曜日

ごろごろしながら

どうなっておるのだ。

先週は、謎の腹痛(だいたいが病気は謎であるが)と頭痛に微熱で
2日ほどふらふらであった。

連休中は、夜遊びしていたので
その代償と言えなくもないが
それにしても身体が弱っている。

おじいちゃんや、おばあちゃんは
昼間でもうとうとしている。

ああして、だんだんだんだん眠る時間が増えて
やがて目覚めなくなるのかもしれない。

赤ん坊はその逆で
だんだんだんだん目覚めている時間が増えていく。

寝ている時間が多かったので
年末から今まで映画を観ることが多かった。

前にも言ったように寅さんは49本観たし
新しいところでは「あん」。
ドリームガールズも、また観た。
アニメの「昭和元禄落語心中」は毎週更新が楽しみだし、
実際のところ国営放送さんには申し訳ないが
テレビもワンセグもいらないのである。

iPadがあれば、
寝っ転がってでも映画が見れるんだからなあ。
AmazonプライムビデオやGYAOのアカウントは
ショッピングサービスなどと併用だし
NetFlixや MUBIあたりまで手を伸ばせば
一日でも二日でも転がって映画を観ていられる。

わたし、働かずに済むなら毎日こうしてるわ。

息子に言った。

何年か前に、会社員の人たちがごはんを食べながら
定年後は時間をきにせず、スカパーをみつづける!と
目を輝かせていたが、今はそうした契約さえ不要になりつつある。
媒体が交替するスピードもまた、想像をはるかに超えて早い。

と思ったら、今日ソニーのスタジオに
カッティングマシーンが導入され
ダイレクトカッティングも可能だというニュースを読んだ。

実際は、デジタルとアナログ技術のいいとこどりにはなるだろうが
写真を見るだけだと
すぐにでもマッスルショールズの時代にでも戻れそうだ。

過去から未来へ。未来から過去へ。時間の流れに酔っ払いそうである。