2013年12月3日火曜日

壊れた橋

ここ数年、11月から12月にかけては
新年号をトリプルで受け持ったりして
怒濤の忙しさになる。

取材して書いては出し、
チェックして、また出しのトコロテン方式で、
片づけてゆく。

若いころは、たくさんのことを並行して進めることに
喜びを覚えた。

綱の上をほい、ほいとバランスをとりながら
わたっていくような調子がすきなのだ。

そもそも。

「石橋を叩いてねぇ、壊れていると知っていても
向こうに欲しいもんがあると渡っちゃう性分なんで、あはは」
と笑っていたものだ。

最近は、齢を重ねたせいか、
それもどうなんだろう、と思うようこともある。

なにしろ、壊れた橋は、自分で直せない。

だが、川の向こうに欲しいものがあると知っているのに
渡らずにいることができるものか。

友だちから、相談事のような電話があって
ふとそんな心持ちを思い出した。

とは言え、友だちに
壊れていてもわたっちゃえよ、と言うのはあまりに無責任な気もする。


ちなみに「壊れる」は、ブルースのキーワードの一つではないだろうか。
逆に私は「アンパイ」というやつが、あまり好きではない。


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