2014年2月20日木曜日
タッチパネル
確定申告の季節だ。
住基カードに読み込まれた
電子証明書が切れていたので
自転車を飛ばし
区役所へ。
飛ばし、と書いたが、ウソです。
えっちら、おっちら。でした。
久しぶりに立ちこぎしたよ。坂道。
裏通りにはまだかちんこちんの雪もある。
ショートカットで、えいやっと自転車を押して急坂も上がり
公園を突っ切る。
自転車に乗って、ベルを鳴らし♪
私の自転車のベルはフタが黄色い。
最初についていたベルのフタが弛んで
外れてしまったので
100円ショップで買って付け替えたのだ。
「こんにちは~。今日はどんなご用でしょう」
受付のおねえさんは、明るく声もやさしい。
こんにちは、と言われたら、こんにちは。
次の窓口のミドルエイジの女性(しかしおそらくは年下)も
物腰が柔らかかった。
「16ケタの暗証番号をご存じでしょうか」
「え? いや~、わからないとダメなんですか」
「そうですねえ。とりあえず何か心あたりの番号はないでしょうか。
ダメだったらロックされますので、もう一度お手続きください」
はぁ、面倒なことにならなきゃいいけど。
心あたりの番号ねぇ。あれかねぇ。
もう一度番号を呼ばれ、パソコンのある窓口に案内される。
今度は初老の男性だ。
「どうぞ、おかけください」
ハイ!
・・・と、勢いよく椅子をひいたら、折りたたみだったもんだから
あっと声を上げる間もなく、べったーんと大きな音をたてて、ぺたんこに。
あ、すみません!すみません!
マフラーを踏んづけながら、床にしゃがみこみ椅子を救出。
あぁ、今日もまぬけだ。
手続きは、まず住基カードの認証をするために
4ケタの暗証番号をテンキーで入れるところから。
これは、あの心当たりの番号でオッケーだった。
次にディスプレイのある席に移動。
今度は椅子を確かめ慎重に座る。
画面をタッチしながら、電子証明書の更新をする。
数字をタッチしながら入れるのはやりづらい。
“心あたりの番号”を思いつくままタッチし
「確認」を押す。違いますの表示。
タッチしては確認! タッチしては確認!
とにかく<確認>や <次へ>を一刻も早く押したいのだ。
「えーと、最初の画面に戻って
もう一度押されてはいかがでしょう」
と窓口のおじさんは、こりゃだめかもなぁという顔で言う。
結局、やはりというか、カードはロックされた。
再び先のべったーん椅子のデスクにて書類を書き
再度、タッチスクリーンへ。
今度は、数字を間違えるわけないので、良い調子だ。
確認! 次へ! 確認!次へ!
私はボタンを押すのが好きである。
確か吾妻さんも機材の話のとき、そんなことを書いていたと思うが
ボタンやツマミが好きだ。
イコライザーのついたデッキ。
博物館の模型。
ゲームのコントローラー。
なんでも押したり、ひねったり、つまんだりしてみたい。
さて、またえっちらおっちらママチャリを漕いで帰る。
パソコンにカードリーダーのソフトをインストールしたり
国税庁のページで手順を読んだり
意外に時間がかかり、結局肝心の申告書作成は
あまり進まなかった。
住基カードには反対していたはずだが
こうして便利な方に流れ、いつのまにか
国にとりこまれていくのだな。
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