クライアントの元に校正を受け取りに行く。
いつもよりページ数が多い。
修正はスムースとは言い難く、
デザイナーさんたちの不満な声、顔が思い浮かぶ。
ディレクター、使えない、と言われているのだろうなぁ。
春先にしては風が冷たかったが
帰りの電車では、窓から射し込む日ざしに
エナジーを感じる。
3月3日、ひなまつりか。
雑居ビルの一室で育った私の家には
立派なおひな様などなく
いつもリカちゃん人形を飾っていた。
一軒家(借家だが)に越してからも
それは変わらなかった。
一度、そのリカちゃん雛飾りの台の前で
妹がひっくり返っていたことがあり、
騒ぎになった。
供えてあった甘酒を飲み干してしまったのだ。
まぁ、そんなことも含め
楽しい思い出。
Yくんには先日、ひなまつりわたがし、を買ってやった。
考えてみれば、もう20代も半ばなのだが。
クリスマスブーツでも、ひなあられ、でも、子どもの日の
お菓子のついたコイノボリでも
私が、ただ買ってやりたいだけである。
だから孫をかまいたい気持ちはすごくよくわかる。
誰かに何かをしてあげることでしか
自分の存在を確かめられないのは
危ういことかもしれない。
でも、それが歓びであることは確かだ。
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