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2011年10月16日日曜日

中学校でブルースかよ!

ちょっと前になるけど7日金曜日。高円寺。

『イマドキの[部活動]中学校の現状に問題提起!』





































思いがけず、音楽の授業でギターを教えることになった深田さん。
ギャランティは「給食」という
ある意味プロに対してあるまじき条件の中で
とまどいながらも生徒たちと
ブルース・セッションをやることを提案し
ギター1本「スウィート・ホーム・シカゴ」をぶちかます。

もちろん、というか、やはりというか
生徒たちはぽかーん。
だが、シンプルな3コードから始まったセッションは
いつしか突然現れた場違いなミュージシャンと
中学生たちの距離を縮めていくことになる。

深田さん自身は決してブルース・シンガーではないが
ご自分の視点で“ブルース”をとらえて
15歳の子どもたちに直球で投げかけているところが
すごくよいなぁと思った。

まさに私の考える一人一人の中にある
“ブルースを感じるもの、それがブルース”に
通じる感覚にひかれた。

何度か学校の取材をして感じたのだが
学校という場所は、
さまざまなオトナの思惑が渦巻く所でもある。
地域だったり、政治だったり、時には企業だったり
いろんな影響を受けて成り立っている。

そこに深田さんはミュージシャンらしい直感で
こうしたほうが、おもしろいよね
このほうが、気持ちいいよね
これならモチベーションあがるよね!
というやり方を持ち込んでいる。

ごくごく自然なことなのに
学校という現場では
意外に見過ごされていた何かがそこにある。

さらに。

ロック・ミュージカル「ヘアー」でデビューし
プロデューサーやディレクターとして
華やかな世界で仕事をしてきた
深田さんは、40歳をすぎて
ストリート・ミュージシャンになった。

さらに子どもたちと出会ったことで
50にしてロック・バンドを始めることを決意する。

不機嫌で、気まぐれで、でも悩み多き15歳とのやりとりは
自分がこれからどうして生きていこうと
真剣に考える50歳との
コール&レスポンスにも見える。

だからこそ本もライヴ感がある。
ただの教育論ではないからおもしろい。

ブルースというキーワードを通じ
思いがけずステキな方に出会えたことに感謝!である。


◆深田悦之さん公式サイト
http://home.a00.itscom.net/edge/index.html



2011年10月8日土曜日

子どもは二歩先をゆく

息子が3週間のアメリカ旅行にでかけた。

なんだかしみじみと感慨深い。

着陸態勢に入って高度を下げてゆく飛行機の小さな窓から
眼下に広がる大地を眺め
これから過ごす旅の毎日にどんなに期待を膨らませているのだろう。

それを想像するだけでもわもわと胸が熱くなる。

アリゾナのフェニックスでは私の友人のそのまた友人,
和太鼓ミュージシャン、Kenさんの家に居候させてもらう。
さらに、その合間を縫って、ネットで知り合ったカンザスシティの友人も
訪ね、さらに大学のイベントに参加するとかしないとか。

連絡があって、ロスで一泊するホテルまで
空港からタクシーに乗ったという。

それだけで卒倒しそうに驚く。

ひとりで外国のタクシーに乗れるのか。

ロスからフェニックスに向かう飛行機が早朝だと聞けば
寝坊して乗り遅れるのではないかと心配になる。

だがどうして。
彼はけろりとした様子で、とっくにフェニックスに着いていた。

信用しなさすぎだよ!

なにしろ生まれてこのかた20年
ほとんどの時間を一緒に過ごした彼が
自分の意志ですべてを段取り、わずか21日足らずとはいえ家を出たのだ。

と同時に私は、生まれて初めて家の中で一人になった。

彼が生まれたとき、私はライターとして
子どものことを書く仕事はしない、と決めていた。

でもそろそろいいかなぁ。


彼もいい大人なので
一個人のプライバシーを書いていいものかはばかられるが
保育園に連れていけば4年間ほぼ朝は、べそをかきっぱなし。
小・中学校には、ほぼ通わず(様々な理由はあったけれど、いわゆる不登校)
「そろそろ人並みのことをしないと」と
高校だけは卒業した経歴の持ち主だ。

おかげで、私も教育相談室のカウンセリングに
約10年通うことになった。

何も心配はありませんでした、とは決して言えないのである。

パソコンの才能、音楽の才能だけは
ほったらかしても、知らぬ間にぐんぐん伸びたけれど
たとえば、文字はからっきし書けなかった。

とうとう調べなかったけど、LDなのかも発達障害なのかも。
ナイスなヤツだが、なにしろアンバランス。

もしや漢字を書けるようにならないのではないか。
友だちが一人もできないのではないか。
ろくすっぽ体力もなく、何も長続きしないのではないか。
仕事なんてできないのではないか。

ないか、ないか、ないか、ないか・・・・・

ところが、子どもというのは親の一歩も二歩も先を歩いているようだ。

書き出せばきりがないほど
彼は私を驚かせてくれた。

先日など、ややお疲れでいじけモードだった私が
「特にやりたいこともないなぁ」とつぶやいたら
「そうなんですか?! がっかりです!」
と怒られた。

すまぬ。

実のところ、若さに嫉妬しているのかもしれない。
と同時に、アメリカに渡り着々と夢をかなえている姿に
もういっちょがんばろうとエナジーをもらっている。


彼がいつ子どもから大人になったのかはよくわからない。
ただ「雨が降りそうだから傘をもってく」
と、空模様を確かめてもどってきたとき
あ、自分で空や風から天気が判断できるようになったんだ
と、思った。
それまで、雨降るかもよ!傘もっていきなさいよ!
と、先まわりしてフォローされていたのに
この空は雨が降るにちがいない!
と予想できるようになったのだ。

と、そんなことに一喜一憂しながら
ここまでやってきたわけで
またこれからも一喜一憂のしどうしなのだろうが
アメリカの友人は言う
「ミエさん、エンジョイ!」

誰かの役に立つべきだが
誰かのために生きてはいけない。

この機会に、私もまた自分に立ち返ろう。
まずは誰も気にせず、1日1回は必ず大きな音で、音楽を聴こうかね。