2013年12月18日水曜日

憂歌団からの便り。~島田和夫祭り~

16日月曜日。

憂歌団からの便り。~島田和夫祭り~ を観るため赤坂Britzへ。

大阪公演が決まったとき、行く!と勇んだが
結局チケットがとれずに涙をのんでいたのだ。

なのに、ずいぶん前に買っただけで安心し、あやうく失念するところであった。

TBSのところに着くと、
ユウカダンのチケットをお持ちの方、こちらからご入場できます~
と呼び込んでいる。

やっぱり、今日は憂歌団なんだ。

複雑なような、うれしいような。

メンバーの顔、Hまろさんの顔、T井さん・・・
彼らに関わってきたいろいろな方の
顔が浮かぶ。

4人のイラストパネルがどーんと飾られている。
イラストは、もちろん4人いる。

CDや、さまざまなグッズも売っている。
Tシャツの色が白、黒のベタなタイプばかりでないのが、しゃれた憂歌団らしいなぁ。
憂の字がデザインされた赤いトートバッグと
パンフレットを求める。
パンフはLPサイズ。原点に戻ろうとの思いだろうか。

いつもなら始まるまで
パンフでも読んで・・・となるところだが
表紙の4人そろった写真をちらっとみたら
開くのがもったいなくて、バッグにしまってしまった。

T子さんが、Britzでのライヴは
アイズレー(ブラザーズ)立ち見以来だと言ってたが
今日は、簡易な椅子だが、ちゃんと席がある。
隣に座った大柄な男性、ちょっと窮屈そうだ。

見回すと、特に憂歌団と同世代が多いというわけでもない。
女性グループも何組かいて、彼らの幅広いファン層を感じる。

年齢の世代というより
同じ時代を生きてきた人たち、ということだろう。


最初に新井田耕造さん中心のドラマーズ。
ブルーハーツの梶原徹也さん、三宅伸治バンドの杉山章二丸さん
ジュンスカイウォーカーズの小林雅之さん、プリプリの高田京子さん
ドラム5人がステージに並ぶ。みんなグレッジ。

乱れ打ちというのではないな。
ユニゾンのようにたたき出されるビート。
島田さんへの鎮魂だ。

リズムをとりながら少し熱いものがこみあげる。


島田さんに最後にお会いしたのは一昨年夏の大阪だった。
会釈された、はにかんだようなやわらかな笑顔を思い出す。
リハのためセッティング中の島田さんは、年齢をとったようにもみえず
飄々としていらした。
その日は、勘太郎さんにもお会いしたし
次の日にはHまろさんにもお会いしてお話をうかがった。
今思えば、少し特別な大阪だった。

クリーム“I'm So Glad”が流れる中、舞台転換。

憂の字を大きく○で囲った
ボードがするするとおりてくる。

こんな大きな「憂い」って文字、みたことない。

3人が、いつもの感じで出てくる。

大歓声。

待ってました!とばかりに客席から、チャチャが入る。

勘太郎さんが、音合わせにギターをじゃらんと。
空気が変わる。
すごいなぁ。

確かfine and mellow からスタート。
憂歌団の英語詞といえば・・・と、
今度はちょっと拾得のテリーさんの
ことを思い出す。

ミッドナイトドリンカーで手拍子。
日本一の宴会バンド、憂歌団! だ。

でも、やっぱりドラムスがないと
曲によって違和感を覚える。

私じゃとんでもなく役不足と思いながらも
いっぱい聞いてきた憂歌団だからと
頭の中でブラシを加えて。

1曲ごとに
「タバコ吸ってもええか」
と花岡さん。
じゃ、オレもと木村さん。お酒?もぐいぐい飲む。

それに対しニュートラルな勘太郎さん。

あの寡黙で壊そうな内田勘太郎ではなく
よくしゃべる、勘太郎さん。
ソロ・ライヴを観ていればなんとなく知っている人は多いはずだけど。

曲間にぱらぱらと弾くフレーズに
ソロになってからのフレーズを思い出すものあり。

体調を崩されていた花岡さんは
決して本調子ではなさそうだ。
その分ということか、木村さんと勘太郎さんが引っ張る。


この会場に来ているお客さん。
何を待っているんだろうか。
往年の憂歌団?
それとも新しい憂歌団?

私は、これは新たなスタートなんだと感じた。

君といつまでも のセリフ
「ぼかぁ、死ぬまで歌い続けるぞ~!」
が、ずしんとくる。

後半、ドラマーズの面々が
一曲ずつ交替で島田さんのドラムを叩く。

しまだ~~! 会場から声がかかる。

島田さん、どこ行ってしまったん。
シャッフル聞きたいよ。
ちょい私も天井を仰いだりして。


意外によかったのが、京子さんドラムでの
Hoochie Coochie Man。
ドラムがシンプルな分、ハマッたのだろう。
勘太郎さんのスライドもマディ・テイストでかっこよい。


タバコ吸って、お酒飲んで
だらだらやってるようで
「胸が痛い」あたりから、ぐわしと会場をつかみとって
ぐんぐん持っていくあたりは、さすが、だった。

「胸が痛い」で号泣したことあったな。

一方で木村さんのソロでも聞ける歌だけに
憂歌団ならではの「胸が痛い」ってなんだろうと考えたりもした。

それはやっぱり、ベースとドラムスだ。

「嫌んなった」もだけど、誰が叩いてもやっぱり
あの「嫌んなった」にはならない。

いくら木村さんのキャラクターが強力で歌が素晴らしくても
勘太郎さんのスライドが唸っても
やっぱり、花岡さんのぶんぶんと重いベースと
島田さんのブラシがあって
初めて憂歌団なのである。

4人そろって憂歌団。

代わりはいない。

そしてそのことはおそらく3人が一番よく知っているのだろう。

だからこそ、今日から新たなスタートなのである。

元気なんかないわ、と うそぶく花岡さんに
「みんなで一緒にやろうや」
と声を掛けてる人があって
ちょっとぐっときた。

みんな彼らと一緒に生きていきたいのだ。

3月には木村&勘太郎による憂歌兄弟で
ニューアルバムも予定されているとか。

今から、楽しみでしかない。




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